新撰 芸能人物事典 明治~平成 「村下孝蔵」の解説
村下 孝蔵
ムラシタ コウゾウ
- 職業
- シンガー・ソングライター
- 生年月日
- 昭和28年 2月28日
- 出生地
- 熊本県 水俣市
- 学歴
- 鎮西高卒
- 経歴
- 生家が映画館を経営しており、少年時代から映画の影響でギターに憧れる(特に加山雄三は生涯のヒーローであった)。中学、高校時代は水泳の平泳ぎの選手として活躍し、中部九州地区の自由形新記録を樹立。鎮西高校卒業後、郷里九州を離れてピアノ調律師として広島のヤマハに勤務する傍らシンガー・ソングライターとしての活動を開始し、レコードを自主制作。昭和54年CBSソニーのオーディションで最優秀アーティストに選ばれ、55年シングル「月あかり」でメジャーデビュー。以後、地道なコンサート活動を続けて徐々にファンを獲得し、58年には「初恋」がチャート3位にランクイン、同曲はリリース直後にアイドルの三田寛子とプロ野球選手の田尾安志によりCMでもカバーされ、知名度を高めるきっかけとなった。さらに同年の「踊り子」、59年の「少女」「夢のつづき」、61年の「かざぐるま」「ねがい」と立て続けにヒット曲を飛ばし、叙情的で哀愁を帯びたメロディーと、素朴な歌声、英語を極力使わない丁寧な日本語の歌詞で根強い支持を集めた。62年シングル「陽だまり」が高橋留美子原作のアニメ「めぞん一刻」の主題歌に起用され、新たなファン層を開拓。その後もコンスタントにシングルやアルバムを発表するとともに、高田みづえ、裕木奈江、柳葉敏郎、中原理恵らに曲を提供。またバイオリニストの天満敦子とジョイントコンサートを行い、クラシックとポピュラー音楽との融合を図るなど、新しい領域にも積極的に挑戦した。平成7年デビュー15周年を記念してベストアルバム「林檎と檸檬」をリリース。10年のシングル「同窓会」はTBS系の昼ドラマ「命賭けて」の主題歌にもなった。11年6月コンサートのリハーサル中に体調不良を訴え、高血圧性脳内出血のため46歳で急逝した。他のアルバムに「それぞれの風」「汽笛が聞こえる街」「初恋〜浅き夢みし」「花ざかり」「野菊よ 僕は…」「清涼愛聴盤」「新日本紀行」「名もない星」「同窓会」などがある。
- 没年月日
- 平成11年 6月24日 (1999年)
- 伝記
- 村下孝蔵STORY―深き夢歌、淡き恋歌みんなノイズを聴きたがる 落合 昇平 著須藤 晃 著(発行元 ソニー・マガジンズティビーエス・ブリタニカ ’08’99発行)
出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報