レモン【檸檬】
[1] 〘名〙 (
lemon)
ミカン科の常緑低木。インド原産で、
果樹として広く栽植される。高さ約三メートル。枝に短いとげが多い。葉はやや
菱形で厚く縁に鈍鋸歯
(きょし)がある。
一年中、
葉腋に白い五弁花が咲く。果実は
紡錘形で乳頭があり黄色に熟す。
果肉は
芳香が高く、
クエン酸とビタミンCを多量に含み酸味が強い。
果汁から清涼飲料水をつくり、果皮は調味料にされる。
主産地はイタリアのシチリア・マルス島および北アメリカのカリフォルニア地方。《季・秋》 〔薬品名彙(1873)〕
[2] (檸檬) 小説。
梶井基次郎作。大正一四年(
一九二五)発表。不安と虚無感を抱いて彷徨する青年が一個の
レモンを得て安らぎを感じ、幻想によって現実に挑戦する心理を繊細な感覚で描く。
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デジタル大辞泉
「檸檬」の意味・読み・例文・類語
レモン(lemon)
1 ミカン科の常緑低木。また、その実。茎・枝にとげが多く、葉は長卵形で、翼はない。7、8月ごろ、内面が白く外面が紫色の花を開く。実は長卵形で両端がとがり、黄色に熟す。酸味が強く、ビタミンCに富み、ジュースや料理に用いる。インドの原産で、現在はカリフォルニア南部・シチリア島が主産地。日本には明治初期に渡来。《季 秋》
2 (米語で)欠陥品。欠陥車。
[補説]1は「檸檬」とも書く。
書名別項。→檸檬
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檸檬
れもん
梶井基次郎(かじいもとじろう)の短編小説。作者の処女作で、同人雑誌『青空』創刊号(1925年1月)に発表。主人公である「私」は、正体不明の憂鬱(ゆううつ)にとらえられて、京都の町を放浪していたが、ある日、果物屋で1個のレモンを手に入れ、その色、形、重さ、手ざわりを確かめることで幸福感を覚える。普段は避けていた丸善書店へも気楽に入れた。しかし丸善で画集を見ているうちに、「私」はふたたび憂鬱になり始める。そこで「私」は画集を積み上げ、その上にレモンを置いて充実感を覚える。さらに「私」はレモンと画集をそのままにして店を出、レモンの爆発というユーモラスな空想を抱く。青春の不安と、その裏に潜む調和への願望とを描き出した佳作である。
[吉田凞生]
『『檸檬』(岩波文庫・旺文社文庫・新潮文庫)』▽『『文芸読本 梶井基次郎』(1977・河出書房新社)』
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檸檬
れもん
梶井基次郎の短編小説。 1925年発表。京都の町をあてどなくさまよう肺患の学生が,ふと心ひかれたレモンを洋書店の画集の上に乗せてみる。爆弾を仕掛けたという空想のなかに逃避する主人公の姿を通して,青春期の不安と退廃を緊張感に満ちた的確な文体で表現した作。作者の処女作であり,代表作でもある。
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檸檬〔曲名〕
日本のポピュラー音楽。歌と作詞は男性歌手、遊助。タレントで俳優の上地(かみじ)雄輔のアーティスト名。2013年発売。作曲:大隅知宇。TBS系で放送のドラマ「終電バイバイ」の主題歌。
檸檬〔戯曲〕
竹内純一郎(現名は竹内銃一郎)による戯曲。初演は劇団斜光社(1978年)。1979年、第23回岸田国士戯曲賞の候補作品となる。
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檸檬 (レモン)
学名:Citrus limon
植物。ミカン科の常緑低木
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報