杣村(読み)そまむら

日本歴史地名大系 「杣村」の解説

杣村
そまむら

現在の安佐南区沼田ぬまた町全域と安佐北区安佐あさ町の西部地域を範囲とする中世の村。大谷おおたに(六三七・二メートル)たけ(五二一・五メートル)などを中心に四方に開けた山村で、外縁は北・西部を標高六〇〇―九〇〇メートル台、東・南部を標高四〇〇―五〇〇メートル台の山並で囲まれる。南側ではやす(奥畑川)が谷々に発する大塚おおつか川・細坂ほつさか川を合わせて東流し、武田たけだ(四一〇・九メートル)麓を大きく北東に迂回し、太田おおた川下流に注ぐ。北側では吉山よしやま川が東北へ流れ、太田川中流に注ぐ。

鎌倉中期と推定される三月日付の安芸国衙領注進状(田所文書)に「緑井郷」に次いで杣村、続いて「阿土毛木村」がみえ、国衙領であった。「杣村二十五町五段」の内容は不輸免が一三丁一反六〇歩でその内訳一宮(厳島社)免二丁七反・八幡宮(松崎八幡宮)大般若経免二丁・即八幡宮免六反・同新宮免五反・角振社仁王講免三反・諸寺勘料田一丁小・公廨田四丁四反大・一宮神官恪勤免一丁・梶取免四反六〇歩・政所敷一反、応輸田が一二丁三反三〇〇歩で、その内訳は別府六丁七反三〇〇歩(久知村一丁四反六〇歩・中伴四丁・大墓村一丁三反大)・本村五丁六反とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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