杮落し(読み)コケラオトシ

デジタル大辞泉 「杮落し」の意味・読み・例文・類語

こけら‐おとし【×杮落(と)し】

新築または改築した劇場の初興行。また、開場行事。
[補説]本来は劇場の初興行をいう語だが、運動施設などの開場行事に使われることもある。
[類語]上演公演実演上場初演再演顔合わせ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「杮落し」の意味・わかりやすい解説

杮落し
こけらおとし

杮葺落し」とも書く。劇場が新築または改築をして、初開場することをいう。杮(こけら)()の原義は、木材の削りくずで、転じて板屋根を葺(ふ)くのに用いる薄い木材をさす。古くは劇場は瓦(かわら)が許されず杮葺(こけらぶ)きの建築であったことから、杮葺きが終わり、屋根の上に残っている雑多な杮(木片)を払い落とせば建築の完成を意味するようになったという。今日の興行でも杮落しには特別な座組をつくって華やかに行い、最初に式三番(しきさんば)を演ずるなど、儀式的なおもかげを残している。

服部幸雄

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