東蚊爪村(読み)ひがしかがつめむら

日本歴史地名大系 「東蚊爪村」の解説

東蚊爪村
ひがしかがつめむら

[現在地名]金沢市東蚊爪町・東蚊爪町一―二丁目・みなと一丁目

大浦おおうら村の北西に位置。もとは浅野川を隔てた対岸の石川郡西蚊爪村と一村で「加賀爪」と記したが、元禄一五年(一七〇二)から蚊爪となった(「村名改覚」改作所旧記など)。地内には赤浜あかはま八幡社・赤馬場八幡宮(現須岐神社)があり、中世、赤浜と称された地域は当地に比定される。赤浜は渤海との戦いの際に海岸が血で染まったことによるといい、競馬会が催されたためのちに赤馬場と称したと伝える(加賀志徴)。康暦二年(一三八〇)六月一日の足利義満寄進状案(鹿王院文書)によれば「倉月庄内松寺・赤浜両村」が宝幢ほうどう(現京都市右京区鹿王院)に寄進されており、永徳二年(一三八二)にも義満が両村を同寺に安堵している(同年一二月一五日「足利義満安堵状」同文書)。至徳元年(一三八四)には後小松天皇が伊勢神宮役夫工米以下の諸役を免じており、以後足利義持義教によって安堵され両村は鹿王ろくおう院領として続いた(応永一八年三月日「足利義持御判御教書」同文書など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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