渤海(読み)ぼっかい

デジタル大辞泉の解説

ぼっ‐かい【渤海】

中国北東部にある海域。山東半島遼東半島に囲まれ、黄海との境に廟島(びょうとう)群島がある。黄河が注ぐ。ポーハイ
8~10世紀、中国東北地方を中心に、沿海州から朝鮮半島北部にわたり栄えた国。698年、ツングース靺鞨(まっかつ)族の首長大祚栄建国の制度・文物を摂取し、仏教を保護。日本とも国交があったが、926年契丹に滅ぼされた。

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百科事典マイペディアの解説

渤海【ぼっかい】

中国,黄海北部,南の山東半島と北の遼東半島より奥の湾状の海域。両半島間には廟島群島がある。海岸線は単調で,水深は浅く,平均25mにすぎない。古くから沿岸は製塩地帯として有名。干満の差は3mに達する。沿岸漁業も盛ん。
→関連項目黄河

渤海【ぼっかい】

現在の中国東北部,シベリアの沿海州,朝鮮北部を領有し,7世紀末から10世紀初頭に栄えたツングース系の靺鞨(まっかつ)人の国。高句麗滅亡後,その遺民として唐の支配下にあった靺鞨人は,大祚栄(だいそえい)に率いられ,698年現在の吉林省の地に震国を建てて自立。祚栄は713年唐朝から渤海郡王に封ぜられ,以後渤海をもって国号とした。唐の制度・文物を取り入れ,律令体制をしき,仏教文化が栄えた。南方の新羅(しらぎ)とは対立したが,727年以後919年まで,日本とはしばしば通交した(遣渤海使)。ことに都の上京竜泉府(東京(とうけい)城)は栄え,〈海東の盛国〉と称せられたが,西方に興った契丹(きったん)のため927年に滅ぼされた。18世紀末以降,朝鮮の史家は渤海を高句麗の継承者としてとらえるようになり,新羅と並立する南北国時代と見る時代区分が今日では有力である。
→関連項目福良津満州耶律阿保機

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世界大百科事典 第2版の解説

ぼっかい【渤海 Bó hǎi】

7世紀末から10世紀初にかけて,現在の中国東北地方,朝鮮咸鏡道およびロシア沿海州にまたがって存在した国家。始祖は大祚栄(だいそえい)。高句麗人とも,その支配下にいた靺鞨(まつかつ)人ともいわれる。住民も主に高句麗人と靺鞨人から成っていた。
[歴史]
 高句麗が668年(総章1)に唐に滅ぼされた後,営州(遼寧省朝陽)に移されていた大祚栄を中心とする高句麗人および靺鞨人の一派は,契丹(きつたん)人李尽忠の反乱に乗じて営州を脱出し,現在の吉林省敦化を根拠地に建国した。

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大辞林 第三版の解説

ぼっかい【渤海】

◇ 中国、遼東半島と山東半島とに囲まれた海域。黄海に通じる。沿岸では製塩業が発達。ポー-ハイ。
中国の東北地方東部・沿海州・朝鮮北部を領土として栄えた高句麗こうくり族・靺鞨まつかつ族の国。698年震国を建てた大祚栄だいそえいが713年唐により渤海郡王に封ぜられ渤海と称した。唐文化を輸入、日本とも頻繁に通交した。都は国都の上京竜泉府(黒竜江省東京城)をはじめ五京ごけいがあった。926年遼に亡ぼされた。渤海靺鞨。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ぼっかい【渤海】

[一] 七世紀末から一〇世紀初期まで、中国東北地方の南東部から朝鮮半島北部沿海州を領域とした国(六九八‐九二六)。高句麗系の大祚栄の建国になり、初め震と称したが、七一三年唐から渤海郡王に封ぜられて渤海と改称。五京(ごけい)を置き、都城は長安に模した。日本とも友好関係を結ぶが、九二六年契丹に滅ぼされた。
[二] 黄海に連なり、遼東、山東両半島に囲まれた内海。奥部は渤海湾、北東部は遼東湾と呼ばれる。黄河、遼河などが流入。遠浅で、沿岸では製塩業や漁業が盛ん。

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世界大百科事典内の渤海の言及

【遣渤海使】より

…728年(神亀5)から811年(弘仁2)まで約80年余にわたって日本から渤海へ派遣された13回の外交使節。渤海は698年旧高句麗領の大半を拠点とする高句麗人が各地の靺鞨(まつかつ)人を支配下に置く形で自立したが,当初より唐の冊封(さくほう)を受け,渤海郡王を称したのみでなく,西北の突厥,南の新羅に取り囲まれたきびしい国際環境にあった。…

【黄海】より

…中国では三大沿海の一つと称される。山東半島と遼東半島をつなぐ線より西は渤海といい,南は長江(揚子江)の河口と済州島を結ぶ線で東海と区切られる。黄河や海河,淮河(わいが)などの排出する泥砂により海面が黄色くみえ,この名がある。…

【能登国】より

…757年(天平宝字1)能登国は越中国から分立して復活した。日本海に突出して位置したため,古代には日渤交渉の拠点となり,渤海(ぼつかい)国使帰国のときの造船・出航基地であった。《延喜式》によれば,名神大社に羽咋郡の気多(けた)神社が見え,ほかに小社42座が官社として登載されている。…

※「渤海」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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