〈ほしずめのまつり〉〈ひしずめのまつり〉ともいう。火災防止のためのまつり。神祇令によると,6月と12月の晦日夜,道饗(みちあえ)祭の後に宮城の四方の外角で行った。これは火の力を鎮めようとする呪術的なまつりであることから,卜術にすぐれた卜部(うらべ)が行った。このまつりの儀礼には,秘事が多いとされている(《公事根源》)が,《延喜式》巻八の鎮火祭祝詞によると,〈水神匏(ひさご),埴山姫(はにやまひめ),川菜(かわな)を持ちて鎮め奉れ〉とあるから,古儀では水と土と川菜とが用いられたようである。現在も各地に鎮火祭を行っている神社があるが,古儀を伝えているものに,福島県大沼郡会津美里町旧会津高田町の伊佐須美(いさすみ)神社がある。同社の鎮火祭は,祭場を庭上に設け,鎮火の儀は,庭上の火の上るのを待って,川菜を投じ,水をそそぎ,土をもって火を埋める。このほか,祭儀の方法は異なるが,青森県の岩木山(いわきやま)神社,大阪市の生国魂(いくくにたま)神社,島根県の物部(もののべ)神社,東京都台東区の秋葉神社などでも行われる。
執筆者:沼部 春友
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…これは火の力を鎮めようとする呪術的なまつりであることから,卜術にすぐれた卜部(うらべ)が行った。このまつりの儀礼には,秘事が多いとされている(《公事根源》)が,《延喜式》巻八の鎮火祭祝詞によると,〈水神匏(ひさご),埴山姫(はにやまひめ),川菜(かわな)を持ちて鎮め奉れ〉とあるから,古儀では水と土と川菜とが用いられたようである。現在も各地に鎮火祭を行っている神社があるが,古儀を伝えているものに,福島県大沼郡会津高田町の伊佐須美(いさすみ)神社がある。…
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