松前小島(読み)まつまえこじま

日本歴史地名大系 「松前小島」の解説

松前小島
まつまえこじま

渡島半島から南西へ約二四キロ離れた日本海上に浮ぶ孤島。周囲約四キロ、標高約二九三メートル。島のほぼ全域が海食崖で囲まれ、とくに西から南側へ続く断崖の景観は見事である。中央部は外輪山に囲まれた御殿ごてん盆地とよばれる平坦部が広がる。西方おおヒヤク島がある。

近世には半島側から常に望むことができ、また蝦夷地・松前を目指して北上する船には格好目印となった。古くから人々に意識されたと考えられるが、元禄郷帳に「従松前西在郷并蝦夷地之覚」として「小島」とみえるのが早い。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の松前小島の言及

【松前[町]】より

…松前半島南西部に位置し,南と西は日本海に面する。西方海上の大島(渡島大島),小島(松前小島)を含む。〈まつまえ〉の名は,アイヌ語の〈マトマイ=ヲ・マツ・ナイ(婦人のいる沢)〉または〈マトマイ=マツ・オマ・イ(婦人のいる所)〉によるともいわれるが,近世には現在の町の中心地である松前氏の城下福山の異称のほかに,〈松前地〉のように蝦夷地に対して和人の居住地としての和人地(シャモ地)の意,および〈松前島〉のように現在の北海道そのものの意にも用いられた。…

※「松前小島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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