朝日日本歴史人物事典 「松岡荒村」の解説
松岡荒村
生年:明治12.5.8(1879)
明治時代の詩人,評論家,社会活動家。熊本県八代生まれ。本名悟。同志社尋常中学校,高等学部卒業。北村透谷に私淑する一方,明治34(1901)年,田中正造の足尾鉱毒事件直訴に感銘を受け,社会問題に関心を持つ。翌年,岐阜の濃飛育児院に赴任。志知文子と結婚。36年,上京し,早大高等予科入学,同時に安部磯雄の社会主義協会に加盟,雑誌『社会主義』に詩と評論を発表する。抒情的作品のほかに,様々な社会,政治の問題を浪漫的な作風で歌ったのが特徴である。徴兵検査のため帰郷したが,すでに結核に侵されており,夭折。<著作>『荒村遺稿』<参考文献>『近代詩集Ⅰ』(日本近代文学大系53巻)
(及川茂)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報