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松岡辰方 まつおか ときかた

デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

松岡辰方 まつおか-ときかた

1764-1840 江戸時代後期の武士,有職(ゆうそく)家。
宝暦14年2月12日生まれ。筑後(ちくご)(福岡県)久留米(くるめ)藩士。江戸にすみ,塙保己一(はなわ-ほきいち)に国学を,伊勢貞春,高倉永雅に有職故実をまなび,和学講談所会頭をつとめた。天保(てんぽう)11年5月1日死去。77歳。本姓は酒井。字(あざな)は子弁。通称は平治郎,清助,清左衛門。号は双松軒,梅軒。著作に「位階便図」「装束織文図会」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

朝日日本歴史人物事典の解説

松岡辰方

没年:天保11.5.1(1840.5.31)
生年:明和1.2.12(1764.3.14)
江戸後期の有職故実家。氏,丹比。字,子弁。通称平次郎など。号は梅軒,双松軒。浪人酒井黙止の子。筑後久留米藩(福岡県)の老女松岡の名跡を継いで松岡姓を名乗り,有馬家に仕えて江戸に居を構えた。屋代弘賢らと共に和学講談所の会頭を務め,塙保己一に国学を,伊勢貞春に武家故実を,壺井義知,大塚嘉樹に公家有職を,高倉永雅に公家故実を学んで,松岡流を創始した。保己一の『群書類従』編纂にも参加した。また貞春に許されて伊勢流の故実書を写し,高倉流の束帯衣紋を修めて師範の免許を取得して江戸桜田組を作り,頭取としてその流布に努めたほか,四条流庖丁術を実習するなど,その研究範囲は広くかつ実技に即したものであった。自ら実物を見聞し実技を習得する一方,多数の文献,資料を収集して古儀を研究,その考証を行い,また貴重図書や調度を模写,製作してその保存を図った。それらを手に入れるために,生活はきわめて質素で,あるときは病気になっても,人命は限りあるもので手当てをしても死ぬときには死ぬのだから,その薬代で調度や書物を買うのがよいといって手当てをしなかったという。蔵書は宮内庁書陵部に松岡本として,遺品は東京国立博物館に保管されている。『冠帽図絵』『装束織文図会』『武家装束着用図』『女官装束織文図会』など図録を中心とした研究書は,今日でも使用に耐えるものである。子の行義,孫の明義が家学を継承し,明治に至る。

(白石良夫)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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