朝日日本歴史人物事典 「松本尚勝」の解説
松本尚勝
生年:応仁1(1467)
室町時代の剣術家。鹿島神流の開祖。名は守勝,のち尚勝。飯篠長威の門人であったが,鹿島神宮(茨城県)に祈願して源義経が奉納した秘書を手に入れ,鹿島神流を開創したという。鹿島神流は飯篠の兵法を基にしながらも,陣鎌,薙刀,十文字(槍),片鎌などにおける術技は松本の完成したもので,合戦用の総合武術であった。代々松本家は鹿島神宮の神官で,常陸大掾鹿島家の四家老のひとつであった。しかし鹿島家は永正期以来,一族・支族間の内訌が表面化し,ついには当主の廃立問題で鹿島義幹率いる軍と戦い,奮戦の末に討死した。
(藤堂良明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報