朝日日本歴史人物事典 「松村大成」の解説
松村大成
生年:文化5(1808)
幕末の尊攘派志士,医者。肥後国玉名郡安楽寺村(熊本県玉名市)に医者松村安貞の長男として生まれる。名は古文,号は空谷,大成は通称。九州では筑前の平野国臣,筑後の真木和泉と並び称される尊王家で,肥後藩尊攘派の重鎮。特に文久2(1862)年の島津久光上洛の前後には,全国より志士たちが彼のもとに参集した。久光に従って上京したが,同3年,8月18日の政変で郷里に蟄居を命じられた。その後も尊攘派の活動を物心両面から支え,孝明天皇の死を嘆きつつ病没する。同じく幕末の志士永鳥三平は実弟,松村新造(深蔵)は実子である。<参考文献>本田光彦『松村大成・永鳥三平両先生伝』
(三澤純)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報