松魚売(読み)かつおうり

改訂新版 世界大百科事典 「松魚売」の意味・わかりやすい解説

松魚売 (かつおうり)

歌舞伎舞踊富本節。1813年(文化10)3月江戸中村座初演。3世坂東三津五郎が踊った十二ヵ月変化《四季詠寄三大字しきのながめよせてみつだい)》のうち,4月の部〈初鰹いさみ商人〉の曲。作詞2世瀬川如皐(じよこう)。作曲2世鳥羽屋里長。振付初世市山七十郎。初鰹を売る江戸っ子魚屋盤台を担いで出,威勢のよい振りを踊る。近年常磐津に移されているが,中に新内風のきかせ所もあり,短い曲なので舞踊会にも上演される。
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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「松魚売」の解説

松魚売
(通称)
かつおうり

歌舞伎浄瑠璃外題
元の外題
四季詠高三ツ大
初演
文化10.3(江戸・中村座)

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世界大百科事典(旧版)内の松魚売の言及

【四季詠寄三大字】より

…12ヵ月の十二変化物で,傾城,坊主,業平,いさみ商人,清正虎狩,台所唐人,田舎ごぜ,鹿島踊,木賊苅(とくさかり),雇奴(やといやつこ),鷺娘,金太郎と続く。うち初鰹を売るいさみ商人の《松魚売》,鹿島の事触れを舞踊化した《鹿島踊》(初世杵屋勝五郎作曲の長唄と初世鳥羽屋里長作曲の富本の掛合)が残る。【菊池 明】。…

※「松魚売」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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