板井寺ヶ谷遺跡(読み)いたいてらがたにいせき

日本歴史地名大系 「板井寺ヶ谷遺跡」の解説

板井寺ヶ谷遺跡
いたいてらがたにいせき

[現在地名]篠山市上板井

篠山盆地の北西端、篠山川の支流宮田みやだ川西岸に位置し、黒頭くろず(六二一メートル)から南東に延びた尾根の、標高二一〇メートル前後の南麓斜面に立地する。これまでは板井・寺ヶ谷遺跡または板井遺跡と称した場合がある。姶良丹沢火山灰(AT)上下に挟んだ二時期があり、近畿地方ではこれまで確認できなかった、層位的な出土状況を示す旧石器時代後期の集落跡である。上位文化層が約二万年前、下位文化層が約二万五千年前と考えられている。昭和五七年(一九八二)から同六〇年まで発掘調査が実施された。

遺構・遺物は、姶良丹沢火山灰上部の暗灰色火山灰層中とその上部、姶良丹沢火山灰下の黄色粘土および泥炭III最下部と暗灰色粘土上面の、上下関係を示す二層から確認された。姶良丹沢火山灰上層の上位文化層からは礫群十数基・土壙一基・石器類ブロック四ヵ所が検出された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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