朝日日本歴史人物事典 「林忠正」の解説
林忠正
生年:嘉永6.11.7(1853.12.7)
明治期の美術商。長崎言定の次男として越中(富山県)高岡に生まれる。明治3(1870)年富山藩士林太仲の養嗣子となり上京,大学南校に学ぶ。11年起立工商会社社員として渡仏,パリ万博の仕事に携わる。17年パリに美術商を開業,浮世絵など日本・東洋美術品を扱う。パリを中心にゴンクールや印象派の画家たちと広く交友,当時盛行したジャポニスムに,日本美術紹介者として重要な役割を果たした。1900年パリ万博参加に際しては,臨時博覧会事務官長となる。35年商店を閉じ,翌年にかけ売り立てを行う。39年帰国し同年東京で没。
(三輪英夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報