精選版 日本国語大辞典 「根来版」の意味・読み・例文・類語 ねごろ‐ばん【根来版】 〘 名詞 〙 南北朝末期から室町時代末にかけて、和歌山県の根来寺で刊行された経典。料紙、装丁などは高野版に類似。根来寺版。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「根来版」の意味・わかりやすい解説 根来版 (ねごろばん) 鎌倉後期から南北朝期にかけて,紀州(和歌山県)根来寺で刊行された古版本をさす。根来寺は高野山から分立して新義真言宗を開いた本山であり,したがってその刊本の装丁,版式,料紙はおおむね高野版と同様であるが,巻子(かんす)本もある。鎌倉末期には,すでに衰えつつあった高野版よりもかえって盛んであり,三部秘経をはじめとする10種近くの真言密教の典籍を刊行しているが,豊臣秀吉による焼打ちにより焼失・散逸し,現存するものは少ない。現存するものには1415年(応永22)から18年ころにかけての恵淳の関係するものが多い。執筆者:竹上 深 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報