桂馥(読み)けいふく(その他表記)Gui Fu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「桂馥」の意味・わかりやすい解説

桂馥
けいふく
Gui Fu

[生]乾隆2(1737)
[没]嘉慶10(1805)
中国,清の学者。山東省曲阜県の人。字,東卉 (とうき) 。号,未谷 (びこく) 。乾隆 50 (1785) 年進士に及第雲南,永平県の知事となり,その在任中に死んだ。語学,特に後漢の許慎の『説文解字』の研究に専心し,段玉裁と並び「段桂」と称された。主著『説文解字義証』は,その研究の精華であり,特に字義に詳しく,豊富な資料でその用例を明らかにしている。戯曲にも手を染め,明末の徐渭 (じょい) の『四声猿』にならった『後四声猿雑劇』の作がある。ほかに『歴代石経略』『札樸』『晩学集』『未谷詩集』など。

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世界大百科事典(旧版)内の桂馥の言及

【文字学】より

…古音研究からややおくれて《説文》の研究が始まる。段玉裁の《説文解字注》,桂馥(けいふく)の《説文義証》,朱駿声(しゆしゆんせい)の《説文通訓定声》はそれぞれ特色をもった不朽の名著である。清末に発見された亀甲獣骨は古代文字の研究をうながし(甲骨学),金石文の研究とともに多大の成果をあげた。…

※「桂馥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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