出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
生没年不詳。中国、後漢(ごかん)の学者。和帝(在位88~105)、安帝(在位106~125)の時代の人。字(あざな)は叔重(しゅくちょう)。汝南(じょなん)郡(河南省)出身。篤実な性格で、広く五経の学問に通じ、同時代の大儒、馬融(ばゆう)から尊敬された。その著書『五経異義(ごきょういぎ)』は、五経についての異説を比較検討して定論をつくろうとしたもの。『説文解字(せつもんかいじ)』は文字を字形によって分類し、その意味と構造とを説いたもの。いずれも後世の学問の発展に大きく寄与した。『後漢書(ごかんじょ)』儒林伝に略伝が収められるほか、『説文解字』序が伝記資料となる。
[頼 惟勤 2018年6月19日]
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…〈今の〉簡体字は,いわば国定という特定の略字のセットだが,簡体字をそういう〈固有名〉に限らないとすれば,簡体字すなわち略字として,漢字の歴史そのものが,次から次へと作られる簡体字の歴史であったといっていいのである。したがって古代の中国人たとえば《説文解字》の著者許慎なども,はじめに作られた文字は画数の多い〈古文〉であったが,のち文字によっては簡略化され,筆画の少なくなったものが出て来て〈古文〉とは形がちがってくる。それが〈大篆(だいてん)〉あるいは〈籀文(ちゆうぶん)〉であり,日常業務の要求から簡略化が進み〈籀文〉からさえも離れてきたとき,それが〈小篆〉になった,と考えたのである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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