桑田郷(読み)くわたごう

日本歴史地名大系 「桑田郷」の解説

桑田郷
くわたごう

和名抄刊本・高山寺本ともに「桑田」と記し、刊本に「久波多」と訓を付す。「日本書紀」垂仁天皇八七年条にみえる「桑田村」、同書仁徳天皇一六年条にみえる「桑田玖賀媛」との関係が考えられ、桑田郡の中心地であったと推定される。郡家も当郷内にあったとみてよい。また同書安閑天皇二年五月条に丹波国に蘇斯岐そしき屯倉を設置した記事があるが、その地は現亀岡市三宅みやけ町に比定する説が有力であり、当郷内であったとみられている。


桑田郷
くわたごう

「和名抄」諸本とも文字の異同はなく、訓を欠く。「太宰管内志」は「久波多と訓ムべし」とする。「宇佐大鏡」によると、宇佐宮領の散在常見名田と大宮司宇佐公順の私領として二つの桑田郷があり、桑田郷の四至は「東限赤幡社 南限伝法寺堺二石 西限船坂峰 北限熊瀬木大路」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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