桜雲記(読み)おううんき

精選版 日本国語大辞典 「桜雲記」の意味・読み・例文・類語

おううんきアウウン‥【桜雲記】

  1. 江戸初期の史書。三巻。著者未詳。文保二年(一三一八後醍醐天皇即位から、南北朝統一を経て北朝後花園天皇の長禄三年(一四五九)までの南朝歴史を記す。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「桜雲記」の意味・わかりやすい解説

桜雲記 (おううんき)

後醍醐天皇の践祚した1318年(文保2)から,後南朝の北山宮・河野宮が殺害された1459年(長禄3)までの歴史を,南朝方立場から,編年体で記した史書。著者未詳。3巻。江戸時代初期の成立といわれ,記事が確実な記録と合わないところもあるが,南朝正統論の勃興とともに人々に読まれた。書名は《古今集》の序の〈吉野山の桜は人まろか心には雲かとなん覚えける〉によるかという。《史籍集覧所収
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「桜雲記」の意味・わかりやすい解説

桜雲記
おううんき

史書。3巻。著者は未詳。江戸時代初期に成立。文保2 (1318) 年から長禄3 (1459) 年までの記事。後醍醐天皇即位から南北朝合体を経て南朝遺臣の末路までを記述。史料的価値は,さほど高くない。『史籍集覧』『校注国文学叢書』に収録

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android