梅花皮(読み)かいらぎ

精選版 日本国語大辞典 「梅花皮」の意味・読み・例文・類語

かいらぎ【梅花皮・鰄】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 東南アジア原産の鮫の皮。あらい地粒の中に花形大粒が混じっている。刀剣の鞘(さや)や柄(つか)を巻いたり装飾に用いた。さめかわ。
    1. [初出の実例]「四目結を挫たる紅の腰に、鰄(カヒラギ)の金(こがね)作の太刀を帯(は)く」(出典太平記(14C後)四〇)
  3. で飾った太刀。かいらぎづくり。
    1. [初出の実例]「次太刀 かひらき引物与之」(出典:教言卿記‐応永一四年(1407)二月三日)
  4. 茶道で、井戸茶碗の特徴の一つ。釉(うわぐすり)の焼成が不十分なために、熔(と)けきらないで、表面が鮫皮(さめがわ)に似た状態のものをいい、特に賞美する。
    1. [初出の実例]「この青井戸は小ぶりで、手にのせると高台の梅華皮(カイラギ)が、物のもつたしかな感触を伝えた」(出典:青井戸(1972)〈秦恒平〉)

かいらげ【梅花皮】

  1. 〘 名詞 〙 「かいらぎ(梅花皮)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「剣に取らばさやだぞ或は金作も〈略〉かいらげもあり」(出典:足利本人天眼目抄(1471‐73)下)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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