朝日日本歴史人物事典 「梨木祐為」の解説
梨木祐為
生年:元文5(1740)
江戸中期の歌人。鴨祐為とも称す。下賀茂神社祠官鴨祐之の孫。正四位下上総介。和歌を冷泉為村に学ぶ。祐為は早吟をもって知られた。生涯10万首を詠じたとされるその多作ぶりは,家集『鴨祐為歌集』の中に,線香3寸を立ててその燃え尽きる間に50首を詠じた例を見いだすことからも納得される。一日千首の企ても幾度か行われた。『かひの雫』『祐為歌訓』『大和路紀行』その他の著作が伝わるが,祐為の実像はいまひとつ不分明のままである。<参考文献>熊谷武至「梨木祐為文献傍註」1~3(『続々歌集解題余談』)
(久保田啓一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報