森の石松(読み)もりのいしまつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「森の石松」の意味・わかりやすい解説

森の石松
もりのいしまつ

江戸末期の博徒生年不詳。遠州(静岡県)森の木挽(こびき)職人繁蔵の子という説と、三河(愛知県)八名(やな)郡で生まれたという説がある。東海道で有名な清水次郎長(しみずのじろちょう)の子分であったことは人の知るところ。石松は次郎長の代参として金毘羅詣(こんぴらもう)でをした帰り、都田(みやこだ)の常吉(つねきち)家へ寄ったところ、御幸山鎌太郎(みゆきやまかまたろう)からの預り金を、常吉の兄、吉兵衛に一晩貸すことになる。その返済を迫ったところ、吉兵衛兄弟らによって1860年(万延1)6月1日の夜、閻魔堂(えんまどう)(静岡県浜松市浜北区道本(どうほん))のあたりで襲われ、殺されたといわれている。今日伝えられているように、目が片方で、大酒飲み、喧嘩(けんか)好き、正直者であったというのは、講釈師3代目神田伯山(はくざん)が有名にし、さらに浪曲師2代目広沢虎造(とらぞう)が人気者に仕立て上げたもの。本当は両目が見えたという。

[芳井敬郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「森の石松」の解説

森の石松

1949年公開の日本映画監督吉村公三郎脚本新藤兼人撮影:生方敏夫。出演:藤田進、殿山泰司轟夕起子朝霧鏡子飯田蝶子、笠智衆ほか。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android