改訂新版 世界大百科事典 「標準星」の意味・わかりやすい解説
標準星 (ひょうじゅんせい)
standard star
等級,色指数,スペクトル型などの天体物理学的な観測量を標準のシステムで表すために指定された一群の恒星をいうが,とくに等級・色指数の標準星,すなわち測光標準星を意味する場合が多い。
測光標準星として最初に国際的に定められたのは〈北極系列〉と呼ばれる天の北極付近の100個近い星々で,写真測光のために長く使われた。一方,現代の代表的な測光標準星としては,H.L.ジョンソンらが定めたUBVシステムのものがあり,10個の第1次標準星とこれから派生した多数の標準星が全天に分布し,おもに光電測光のために用いられている。このほかにも赤外領域も含めてさまざまな測光システムがあって,それぞれ標準星が定められている。測光以外の標準星としては,スペクトル型のMK分類のもの,恒星の放射エネルギー分布のものなどがある。
→天体測光
執筆者:岡崎 彰
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報