横浜新報もしほ草(読み)よこはましんぽうもしほぐさ

山川 日本史小辞典 改訂新版 「横浜新報もしほ草」の解説

横浜新報もしほ草
よこはましんぽうもしほぐさ

幕末・維新期の新聞。アメリカ人バン・リード横浜居留地で1868年(明治元)閏4月に創刊。70年3月の42編まで刊行編集者は岸田吟香(ぎんこう),のち栗田万次郎。国内情報,とくに戊辰(ぼしん)戦争の戦況記事が多い。また戦時国際法を紹介,政府のアヘン禁令や公議所開設を歓迎,国家独立のため早急に内乱を収めるべきと主張するなど,啓蒙的論説記事に特色がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「横浜新報もしほ草」の意味・わかりやすい解説

横浜新報もしほ草
よこはましんぽうもしほぐさ

『もしほ草』と俗称される。 1868年アメリカ人 E.バン・リードが創刊,70年3月まで 42編を発行した木版印刷の小冊子型新聞。編集には岸田吟香,栗田万次郎らが協力したが,外人所有のため明治政府の干渉を受けなかった。紙面では新しい文明や政治制度の紹介,封建的遺風改良など日本の転換期に種々の貢献をした。

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デジタル大辞泉プラス 「横浜新報もしほ草」の解説

横浜新報もしほ草

1868年閏4月に、アメリカ人ヴァン・リードが横浜で創刊した日本語新聞。岸田吟香、栗田萬次郎が編集に協力した。横浜居留地で発行されていたため明治政府の干渉を受けず、1870年3月まで刊行された。通称「もしほ草」。

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世界大百科事典(旧版)内の横浜新報もしほ草の言及

【岸田吟香】より

…67年(慶応3)回船商社を設立,汽船を購入して江戸~横浜間の運送に従事。68年にはアメリカ人ウェン・リード(バン・リード)Eugene M.Van Reedと共同で《横浜新報もしほ草》を創刊,また独力で《金川日誌》を発行した。73年(明治6)《東京日日新聞》に招かれ,主筆として健筆をふるい,同紙の声価を高からしめた。…

【居留地新聞】より

…居留地外国人が発行した日本語新聞は,このような状況に促されて出現したのである。これには,1864年(元治1)浜田彦蔵(アメリカ籍)が創刊した《海外新聞》をはじめとして,67年(慶応3)の《万国新聞紙》《倫敦新聞紙》,68年(明治1)の《各国新聞紙》《横浜新報もしほ草》,72年の《日新真事誌》などが知られている。いずれも英語に堪能な日本人協力者を得て発行されていた。…

※「横浜新報もしほ草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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