化学辞典 第2版 「橋かけ重合体」の解説
橋かけ重合体
ハシカケジュウゴウタイ
crosslinked polymer
架橋高分子ともいう.線状高分子間に橋かけ(架橋)が生じた重合体.通常,立体網目状構造になっている.橋かけ重合体はその生成機構から,同一の機構で進行する場合と,複数の機構で進行する場合とに区別できる.同一機構型としては,重縮合反応で生成するフェノール樹脂,尿素樹脂,メラミン樹脂などのほかに,付加重合反応で生成するスチレン-ジビニルスチレン共重合体などがよく知られている.一方,複数機構型は,線状高分子化合物に二重結合,ヒドロキシ基,カルボキシル基,ケトン基,アミノ基,チオール基,活性ハロゲンなどの官能基を有する反応性高分子化合物を架橋したものと,放射線架橋によるものとがある.ゴム加硫,エポキシ樹脂などが前者に,またポリエチレン,ポリエステル,ポリアミドの架橋体などが後者に属する.以上の例はいずれも共有結合により架橋したものであるが,このほか疎水結合,水素結合,静電結合などにより架橋した橋かけ重合体もある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報