歌曲時習考(読み)かきょくさらえこう

改訂新版 世界大百科事典 「歌曲時習考」の意味・わかりやすい解説

歌曲時習考 (かきょくさらえこう)

日本音楽の文献。地歌の歌詞を集成した枕本体裁の歌本。1805年(文化2)に初刊(浅野高造編,菊崎検校校訂,曲数470余)以後,明治に至るまでに数度増補改編された。曲名字数によって分類配列し,目録では曲名の下に作詞者・作曲者名を記し,本文中の曲名の下には調弦を示し,歌詞の中に合の手個所を記す。白黒とカラーの版画が挿入されている。付録として八橋流,生田流継山流,藤池流の箏組歌と付物(つけもの)の目録,歌詞を収録する。文政元年(1818)版では組歌を除いて地歌の収録数は573曲となった。文政版は縮小影印本として《日本歌謡研究資料集成》第9巻に収載
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「歌曲時習考」の意味・わかりやすい解説

歌曲時習考
かきょくさらえこう

地歌歌本。菊崎検校校訂,浅野高造編。枕本体裁の歌本の代表的なもの。曲名の字数によって分類集録。目録は『歌系図』にならって作詞者,作曲者名を記してある。文化2 (1805) 年大坂勝尾屋六兵衛により刊行されたのに始り,文政1 (18) 年,嘉永1 (48) 年と増補され,580曲余を収録するにいたった。箏組歌,三味線本手 (組歌) の目録を付し,文政版では箏組歌の八橋流唱歌 (歌詞) を付録とする。明治以降も補遺,増版,改版が数次にわたり行われた。

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