正善院(読み)しようぜんいん

日本歴史地名大系 「正善院」の解説

正善院
しようぜんいん

[現在地名]羽黒町手向

手向とうげ集落の中央、いけなかにある。羽黒山と号し、羽黒山修験本宗。本尊は大日・薬師・観音の三尊。寺伝によれば開基は円仁。かつては手向山(あるいは金堂山)中禅ちゆうぜん寺の本坊として羽黒山十大寺の一に数えられ、永禄三年(一五六〇)書写の「羽黒山睡中問答并縁記」によれば中禅寺金堂を中心に三〇〇坊を数え栄えたという。金堂山長寿ちようじゆ寺とも号した。明治初年の神仏分離の際、荒沢こうたく寺の末寺として天台宗に帰属し、昭和二一年(一九四六)現宗派に改めた。前掲睡中問答并縁記にみえる金堂とは現在、当院の管理する黄金こがね(国指定重要文化財)のことで、「三山雅集」によると応化おうか堂ともいい、近世には当院が別当を勤めている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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