正常ゼーマン効果
セイジョウゼーマンコウカ
normal Zeeman effect
原子や分子のスペクトルは,高い準位と低い準位の間の遷移によるのであるが,磁場をかけるとゼーマン効果によってそれぞれの準位が分裂してスペクトルも分かれる.とくにスピン量子数がS = 0の状態の間の遷移では,高い準位も低い準位も分裂の間隔は同じであり,また両準位間の選択則は磁気量子数をmとするとき,その変化Δmが±1と0であるので,スペクトル線は間隔がμBH(μB はボーア磁子)の三つの線に分かれる.これを正常ゼーマン効果という.これに対して,S
0の状態が関係していると,上の準位と下の準位での分裂の仕方が違う(準位によってg因子が違う)ため,スペクトルは複雑な分かれ方をする.これを異常ゼーマン効果という.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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法則の辞典
「正常ゼーマン効果」の解説
正常ゼーマン効果【normal Zeeman effect】
スペクトル線が磁場の影響により多重線に分裂する現象.特にスピン量子数 S=0の間の遷移では,高い準位と低い準位の分裂幅が等しく,遷移の選択率は磁気量子数の変化 ⊿m=0,±1に限られているので,スペクトル線は等間隔の3本線となり,その間隔は μBH(μB はボーア磁子)となる.
この現象をもとにゼーマンの師であったH. A. ローレンツは電子の存在を確証し,さらに電子の比電荷を求めることに成功した.
出典 朝倉書店法則の辞典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の正常ゼーマン効果の言及
【ゼーマン効果】より
…振動数のずれ⊿νの大きさは磁束密度に比例し,1T当りe/4πm=1.400×1010Hz(波数に換算すると1T当り46.70m-1)である。このように1本の発光線が磁場をかけると偏光した3本の等間隔な線に分裂する特性は,カドミウムや亜鉛での観測結果およびローレンツの古典論の結論に一致するので正常ゼーマン効果と呼ばれる。 しかし,多くの場合,発光線の分裂はもっと複雑である。…
※「正常ゼーマン効果」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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