正浄寺(読み)しようじようじ

日本歴史地名大系 「正浄寺」の解説

正浄寺
しようじようじ

[現在地名]大田原市佐久山

ほうき川に架かる岩井いわい橋の右岸袂にある。川越山無量寿院と号し、浄土真宗本願寺派本尊は川越阿弥陀如来。寺伝によれば、親鸞が承久二年(一二二〇)当地を通ったとき箒川増水のため渡河できず、川岸の孫八という農民の家に一泊し、念仏功徳を授けた。親鸞は同家を去る時に阿弥陀如来尊像を描いて孫八に与えたという。孫八が同地に一堂を建立し尊像を安置したのが当寺の始まりという。山号はこの寺伝に由来する。その後堂は廃絶、文明年間(一四六九―八七)に源慶により再興されたが再び衰微。寛政一〇年(一七九八)に至り領主福原資明により再興され正浄寺と称した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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