歩ぶ(読み)アユブ

デジタル大辞泉 「歩ぶ」の意味・読み・例文・類語

あゆ・ぶ【歩ぶ】

[動バ四]あゆむ」に同じ。
「杖に懸かりてつかれ―・ぶ」〈今昔・一・三〉
「今夜あたりゃあ中洲が賑やかだらう。―・ばねえか」〈洒・卯地臭意〉

あよ・ぶ【歩ぶ】

[動バ四]あゆむ」に同じ。
「鬼は―・び帰りぬ」〈宇治拾遺・九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「歩ぶ」の意味・読み・例文・類語

あゆ・ぶ【歩】

  1. 〘 自動詞 バ四段活用 〙
  2. あゆむ(歩)
    1. [初出の実例]「鵝よろこびて太子のおまへにあゆびいたるに」(出典:法華修法一百座聞書抄(1110)六月一九日)
    2. 「チョッ。さきへ歩行(アユビャア)がれ」(出典滑稽本浮世風呂(1809‐13)二)
  3. 同行する。出かける。また、特に、遊里通いする。あよぶ。
    1. [初出の実例]「吉原へ行く。あゆばないかとゆったれば」(出典:洒落本・遊子方言(1770)発端)
    2. 「サア一所に往て遣(やる)から歩行(アユビ)なせへ」(出典:滑稽本・七偏人(1857‐63)初)

あよ・ぶ【歩】

  1. 〘 自動詞 バ四段活用 〙
  2. あゆむ(歩)
    1. [初出の実例]「聟、顔をかかへて〈略〉臥しまろぶ。鬼はあよび帰りぬ」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)九)
    2. 「小足にあよふ馬に美人たちを騎て」(出典:四河入海(17C前)二三)
  3. 同行する。あゆぶ。
    1. [初出の実例]「隣が町の会所、サアサアあよびやとわめけ共」(出典:浄瑠璃・博多小女郎波枕(1718)中)

あい・ぶ【歩】

  1. 〘 自動詞 バ四段活用 〙 ( 「あゆぶ(歩)」の変化した語。江戸時代安永、天明年間(一七七二‐八九)頃の流行語 ) 歩く。出かける。また、いっしょに行く。
    1. [初出の実例]「江戸へあいばんかとつばなうりにいひ」(出典:雑俳・柳多留‐一一(1776))
    2. 「うさアねへ。一寸おらが内へ歩(アイ)びねへ。直(ぢき)に此横町だ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四)

ええ・ぶ【歩】

  1. 〘 自動詞 バ四段活用 〙 ( 「あゆぶ(歩)」の変化した語。「えいぶ」とも ) あゆむ。行く。
    1. [初出の実例]「付合の悪い。一っしょにゑゑばっせヱ」(出典:洒落本・青楼楽美種(1775)発端)

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