歩積み預金(読み)ブヅミヨキン

デジタル大辞泉 「歩積み預金」の意味・読み・例文・類語

ぶづみ‐よきん【歩積み預金】

銀行などの金融機関手形割引などをする際、割引金額の一部を強制的に預け入れさせたもの。→両建て預金

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「歩積み預金」の意味・わかりやすい解説

歩積み預金
ぶづみよきん

銀行などの金融機関が、商業手形の割引および商業手形を担保とする貸付を行うに際し、その一定割合を拘束し、累積した預金であり、通常は、金融機関が貸出を担保させる目的で行わせる。融資先である企業の信用を補完する目的の歩積み預金は、ある限度までは商慣習として是認されていた。その限度は、1回当り割引代り金の1~3%程度以下で、かつその累積限度は、15%ないし20%程度以下となっていた。その範囲内であれば通常の拘束性預金とみ、自粛措置として金利措置を講じればよいことになっていたが、これを超える歩積み預金については解約払出しをしなければならなかった。なお、金融自由化の進展や直接金融など企業の資金調達手段の多様化を背景に、企業に対する金融機関の力が相対的に低下してきたことから、1987年(昭和62)4月以降、拘束性預金についての規制が緩和され、規制対象から大企業、中堅企業を除外し、対象企業を中小企業基本法に定める中小企業と個人企業に限定することとなった。しかし、1991年(平成3)のバブル崩壊や、国際決済銀行Bank for International Settlements(BIS)が自己資本の積み増しを求めた1993年のBIS規制の実施後、金融機関は資金需要に基づかない貸出を圧縮することにしたため、歩積み預金は行われなくなった。銀行取引約定書にも、銀行が歩積み両建て預金を有する場合には、借入側はこれを銀行からの借入金と逆相殺することができる旨の文言が記載されている。

[太田和男]

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