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拘束預金 こうそくよきん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

拘束預金
こうそくよきん

金融機関が貸出しの条件として,貸出し先の預金の払出しについて拘束あるいは制約している預金をいう。拘束の態様によって担保預金,見返り預金,見合い預金,にらみ預金に区分される。さらに広義には歩積預金・両建預金を含める。正式に質権設定契約のある担保預金は拘束されるのは当然であるが,見返り預金,見合い預金,にらみ預金には法的効力は及ばないにしても一応担保的機能をもつ。「見返り預金」とは金融機関が預金証書または通帳を保管しているか,担保差入書を徴求しているが,その手続を留保している預金。「見合い預金」とは書面などの正式契約によらず口頭で拘束の約束をし,解約,引出しを差止めているもの。「にらみ預金」とは口頭の約束もしないが,事実上解約,引出しをさせないようにしているもの。このように,金融機関が取引の相手方との関係で有する優越的な地位を不当に利用して行われる場合が多く,このような場合は,独占禁止法上取引上の優越的地位の不当利用にあたるとされ,禁止される (2条9項4号,19条) 。また,このような行為は預金金利と貸出し金利の差額によって,実質金利を高めることになり,このような形の高い金利を強要することが,臨時金利調整法に違反するとして,問題とされる可能性もある。

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デジタル大辞泉の解説

こうそく‐よきん【拘束預金】

銀行が債権担保の目的で預金者の自由な処分を制限する預金の総称。担保預金・見返り預金など。財務省通達で禁止されているが、金融機関の慣行として存続している。

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大辞林 第三版の解説

こうそくよきん【拘束預金】

銀行が預金者の自由な処分を制限している預金。担保にとった担保預金、担保権を設定せずに預金を留保する見合わせ預金、担保書類の一部を保有する見返り預金など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

拘束預金
こうそくよきん

金融機関が顧客の払出しを拘束している預金であり、債務者の預金が対象とされる。債務者預金は、広義には貸出と両建てとなっていることから、すべて両建て預金といえるが、拘束預金は、債務者が自由に使えないという制限を受けていることから、「狭義の両建て預金」といわれる。
 拘束預金は、拘束の態様によって、担保預金、見返り預金、見合い預金の三つに分類される。担保預金は、正式に担保権を設定したものであり、見返り預金は、担保権設定に必要な書類の一部または全部を徴求しているが、その手続は留保しているものをいい、見合い預金は、担保または見返りの方法はとらないで、金融機関において預金額を留保し、拘束しているものをさす。
 拘束預金の増加は、総じて金融機関にとっては実質貸出金利の上昇となるが、債務者にとっては実質金利負担の増大となることなどから、金融庁は、拘束預金が過度に行われることのないように厳しく指導している。[太田和男]

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世界大百科事典内の拘束預金の言及

【歩積・両建預金】より

…金融機関の顧客に対する貸付けおよび手形割引に関連して作成される拘束性預金の総称。拘束性預金とは,債務者から受け入れた預金のうち,債務者が自由に払い戻すことができないように金融機関が拘束している預金のことをいう。手形割引,商業手形担保の貸付けに際し,その一定割合によって作成されるものを歩積預金という。また,金融機関が貸出しを行う際に,その貸付金の一部を強制的に預金させる場合,あるいは顧客が預金の引出しにより資金調達をしようとする際に,預金引出しの代りに金融機関が貸出しによって顧客の資金需要にこたえる場合,これらの預金を両建預金という。…

※「拘束預金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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