歯性上顎洞炎(読み)しせいじょうがくどうえん(その他表記)Maxillary Sinusitis of Dental Origin

家庭医学館 「歯性上顎洞炎」の解説

しせいじょうがくどうえん【歯性上顎洞炎 Maxillary Sinusitis of Dental Origin】

[どんな病気か]
 副鼻腔(ふくびくう)の1つである上顎洞は、頬(ほお)の位置にあります。その底部は、歯根部(しこんぶ)に非常に近く、とくに奥歯(おくば)(臼歯(きゅうし))と深い関係があります。むし歯、歯槽膿漏(しそうのうろう)などから歯根膜炎(しこんまくえん)、上顎洞膿瘍(じょうがくどうのうよう)となり、上顎洞に炎症がおよんだのが歯性上顎洞炎です。片側におこるのが特徴です。
 頬が腫(は)れて痛み、腐敗臭(ふはいしゅう)のある膿(うみ)のような鼻水が出ます。
[治療]
 原因となっている歯を抜歯(ばっし)する必要があります。
 上顎洞から口腔内(こうくうない)へ排膿(はいのう)させると、急性炎症はおさまっていきます。抗生物質も服用します。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「歯性上顎洞炎」の意味・わかりやすい解説

歯性上顎洞炎
しせいじょうがくどうえん
odontogenic maxillary sinusitis

歯に原因があって起る上顎洞炎をいう。上顎の小臼歯あるいは大臼歯のう蝕虫歯)による根尖病巣や,辺縁性歯周炎から波及するもので,上顎洞底と根尖がきわめて近接しているため炎症の波及が起りやすい。急性慢性があり,症状は片側の頬の痛み,鼻閉塞悪臭のある鼻漏など,他の原因による耳鼻科的上顎洞炎と同じである。原因歯を抜去すれば急性症状は軽快するが,抜歯創がふさがらず,上顎洞と口腔が交通する瘻孔を残すことが多い。慢性症では根治手術を行い,瘻孔があれば閉鎖する。

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