歴史科学(読み)れきしかがく

精選版 日本国語大辞典「歴史科学」の解説

れきし‐かがく ‥クヮガク【歴史科学】

〘名〙
① 過去に生起した人間生活の諸事象を対象とする諸科学総称。最も広義に解した場合の「歴史学」と同義。
② 人間に関する事物の歴史的個性の記述を方法とする諸科学の総称。ビンデルバンドの用語リッケルトの「文化科学」、ディルタイの「精神科学」に相当し、方法による学問分類の上で、事物を法則的にとらえることを方法とする諸科学(自然科学)に対置され、両者で経験科学を構成する。
※学生と教養(1936)〈鈴木利貞編〉教養としての社会科学〈蝋山政道〉六「前者の傾向は新カント派哲学の文化科学又は歴史科学の方法論に、はヘーゲル哲学の再生たる精神科学的方法に結びついて」
マルクス主義で唯物史観を理論的基礎とする歴史学。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「歴史科学」の解説

れきし‐かがく〔‐クワガク〕【歴史科学】

歴史的な性格をもつ事柄現象を研究する諸科学の総称。
一般的な法則を定立する自然科学に対し、事象の一回的・個性的なものの記述を方法とする科学。ウィンデルバントの用語。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の歴史科学の言及

【人間科学】より

…イギリスでは,たとえばJ.S.ミルはモラル・サイエンシズという言葉で歴史学,文献学(言語学),経済学,社会学,人類学,心理学,法学,宗教学などを含む〈人間本性に関する諸科学sciences of human nature〉を意味したが,この語はドイツ語に訳されて〈精神科学Geisteswissenschaft〉となり,やがてディルタイが客観化された精神としての〈文化〉を理解する解釈学的探求の学をこの名で呼んだ。また新カント学派のウィンデルバントやリッケルトは,〈歴史科学Geschichtswissenschaft〉〈文化科学Kulturwissenschaft〉という語で,人文諸科学を自然科学とは本質的に異なる科学として分別しようとした。ドイツ哲学の影響の強かった日本においては,〈人文科学〉という用語は,ドイツ的な〈精神科学〉〈文化科学〉に近い内容を意味している。…

※「歴史科学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

榷場

中国,宋代に北・西方の外民族との貿易を管理するため国境におかれた官庁。 榷務,榷署とも呼ばれる。太平興国2 (977) 年,契丹との交易のため設けられたのに始り,景徳4 (1007) 年西夏との間にお...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android