殿島城跡(読み)とのしまじようあと

日本歴史地名大系 「殿島城跡」の解説

殿島城跡
とのしまじようあと

[現在地名]伊那市大字東春近 中殿島

中殿島の東、四〇メートル余の段丘崖上にある平山城跡。これを本城とよび、北と南に支城があったらしい。

中村元恒の「箕輪記」の見取図によれば、「本城千五百歩許」「土居 高五六尺」「隍口凡五六間」などとあり、現在も土居と堀がはっきり残っている。しかし、東側は堀が崩れ、わずかに凹形を残している。文政一三年(一八三〇)開墾の際、釜や太刀などを発掘した。城下冷泉れいせん庵跡があり、山の腰より清水が湧出している。またその北に臨済宗護国ごこく寺・春近はるちか神社・曹洞宗光久こうきゆう寺などが続いている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android