出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…カイコの卵のことをさす産業用語。繭をとるために飼育しているカイコは〈普通蚕種〉と呼ばれる蚕種から孵化(ふか)したもので,日本種と中国種を交配して作った交雑種である。普通蚕種を作る親の蚕種を原蚕種といい,原蚕種の親の蚕種を原原蚕種という。カイコの雌のガは交尾後500~700粒の卵を産む。したがって,普通蚕種を得るために原蚕種は雌雄合わせて最低2億粒が必要となるが,実際にはその2倍以上が作られている。これらの原蚕種および普通蚕種を作ることを蚕種製造という。…
…このような卵から孵化した次世代の幼虫は産まれながらにして微粒子病に感染していることになり,1匹の雌蛾が約500粒の卵を産むことを考えると,微粒子病の伝播(でんぱ)性はきわめて高い。したがって本病の防除は経卵伝達の経路を断つことがおもな目標となり,このためパスツールの一蛾別採種法に基礎をおいた母蛾検査が行われている。これは産卵の終わった母蛾の磨砕液について胞子の有無を顕微鏡で調べ,そのガから産まれた卵が微粒子病に汚染されているか否かを間接的に検査する方法である。…
※「母蛾検査」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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