微粒子病(読み)びりゅうしびょう(英語表記)pebrine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

微粒子病
びりゅうしびょう
pebrine

蚕の病気の一種。ノセマ・ボンビシス Nosema bombycisという小胞子虫の寄生によるもので,経口伝染と母体伝染とがあり,予防のため法規によって母蛾検査を行うことになっている。症状は食欲が減り発育,眠起がふぞろいとなり,やがて食桑をやめ瘠小となって死ぬ。有毒卵から孵化した蚕は一般に3齢までに発病する。蚕の胴に黒色か黒褐色の斑点が出るものが多いので,一名黒痣病とも呼ぶ。一般に多湿育よりも乾燥育に,また高温飼育よりも低温飼育に発病率が高いといわれる。微粒子病原体はフランスの L.パスツールが発見し,予防法の基礎をつくった。

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デジタル大辞泉の解説

びりゅうし‐びょう〔ビリフシビヤウ〕【微粒子病】

原生動物の寄生によるの病気。フランスで1840年代以後このために大打撃を受け、パスツールが病蚕の体内に存在する微粒子(胞子)の伝染によることを解明。

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百科事典マイペディアの解説

微粒子病【びりゅうしびょう】

カイコの病気。原生動物の一種ノセマ・ボンビシスNosema bombycisが寄生して発生する。慢性病で皮膚に黒褐色の斑点が現れ食欲不振と動作不活発がみられ,絹糸腺には不透明な病斑が現れる。蚕体のすべての部分を冒し,母体伝染,経口伝染する。母蛾(ぼが)の検査をして予防。パスツールの〈一蛾別採種法〉は微粒子病の研究で考案された予防法。

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世界大百科事典 第2版の解説

びりゅうしびょう【微粒子病 pebrine】

カイコの病気。ノセマ・ボンビシスNosema bombycisという微胞子虫目に属する原生動物の寄生によって起こる。1860年ごろヨーロッパに大発生し,とくにフランスの養蚕業に大きな打撃を与えた。このためパスツールがこの病気の研究を行い,その結果本病防除のために母蛾(ぼが)を個体別に産卵させる〈一蛾別採種法〉を考案したことは有名である。ノセマ・ボンビシスはその生活環の中で,環境変化に比較的安定な胞子を形成する。

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大辞林 第三版の解説

びりゅうしびょう【微粒子病】

蚕の病気の一。原生動物ノセマ-ボンビシスの寄生によって生じ、桑を食べなくなり、黒褐色の小斑点ができて死ぬ。

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世界大百科事典内の微粒子病の言及

【養蚕】より

…フランスでのその全盛期は1820‐53年であり,53年における繭生産高は2600万kg,桑樹数は2400万本以上,養蚕業を営む村落2300以上,その従事者数30万~35万人と,史上最高を記録した。しかし以後は微粒子病などの蚕病の流行によって激しい打撃を被った。パスツールの研究により75年以降微粒子病が克服された後も,繭の生産水準は700万~800万kgにとどまり続け,19世紀末期からの政府の補助金付与の効果もなく,ブドウその他の果樹や野菜,タバコなどの栽培への転換が進んだ。…

※「微粒子病」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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