毛じらみ症(読み)けじらみしょう(その他表記)Pubic lice in genital area

六訂版 家庭医学大全科 「毛じらみ症」の解説

毛じらみ症
けじらみしょう
Pubic lice in genital area
(女性の病気と妊娠・出産)

どんな病気か

 ケジラミが主として陰毛、時に腋毛(えきもう)眉毛の毛幹基部に寄生することによって発症します。性行為が感染経路になりえます。

症状の現れ方

 激しいかゆみとかきむしることにより生じる細菌の二次感染がみられます。また、虫卵が毛に固く付着し、ふけのようにみえるのも特徴的です。

検査と診断

 前記の症状のほか、ケジラミは1㎜程度の大きさなので、毛根部で動く虫体をみつけられることがあります。もしくは、顕微鏡下で虫卵・虫体を観察して診断します。

治療の方法

 クロタミトン軟膏(オイラックス軟膏)塗布、フェノトリン製剤(スミスリンパウダー散布を行います。必要でないことも多いのですが、剃毛(ていもう)も治療法のひとつです。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

家庭医学館 「毛じらみ症」の解説

けじらみしょう【ケジラミ症 Pediculosis Pubis】

[どんな病気か]
 ケジラミは体長1~2mm、丸いからだに大きな爪(つめ)のある脚(あし)をもつ昆虫で、おもに陰毛(いんもう)に寄生しています。頭髪に寄生するアタマジラミ衣服にひそむコロモジラミと同様、人の血を吸って生きています。
 ケジラミは性交などで感染しますが、まれに毛布やタオルなどを介して感染することもあります。
 外陰部のかゆみがおもな症状ですが、まれに腋毛(えきもう)や頭髪にも寄生し、わきの下や頭皮がかゆくなることもあります。
 陰毛を検査して虫体(ちゅうたい)あるいは産みつけられた卵があれば診断がつきます。
[治療]
 陰毛の剃毛(ていもう)がいちばん確実で安価な方法です。薬は0.4%フェノトリン(スミスリン® パウダー)を寄生部位に適量散布し、1時間後に洗いおとします。これを3~4日間隔で3~4回くり返せば治ります。
 卵の抜け殻は、セメント様物質で毛に固着され、虫の死滅後も毛に残ります。抜け殻を見て治っていないと考えるのはまちがいです。ただし陰毛以外の毛の生えた部位もよく調べ、必要に応じて治療しましょう。また、家族や同居者間のピンポン感染(感染の往復)を防ぐため、全員の寄生の有無を調べ、一斉に治療するようにしましょう。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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