デジタル大辞泉 「気遠い」の意味・読み・例文・類語 け‐どお・い〔‐どほい〕【気遠い】 [形][文]けどほ・し[ク]1 遠く隔たっているさま。遠く離れている。「祇園祭の稽古囃子ばやしが流を渡って―・く聞えて来る」〈風葉・青春〉2 人けがなくてものさびしい。「いとど狐の住みかになりて、うとましう―・き木立ちに」〈源・蓬生〉3 よそよそしい。親しみにくい。「男子をのこごにはうち解くまじきものなりと父大臣おとどきこえ給ひて、―・くなりたるを」〈源・少女〉4 なじみが薄い。「白樫といふものは、まいて深山木みやまぎのなかにもいと―・くて」〈枕・四〇〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「気遠い」の意味・読み・例文・類語 け‐どお・い‥どほい【気遠】 〘 形容詞口語形活用 〙 [ 文語形 ]けどほ・し 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「け」は接頭語 )① 人の気配のする所から隔っている。人けがなくものさびしい。[初出の実例]「うち思ひめぐらすに、こなたかなたけとおくうとましきに、人声はせず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)② 相手から隔った所にいる感じがする。場所的に遠くにいる感じである。身近でない。[初出の実例]「その程は、御前に年ふり、かかる筋の人々皆侍らひて、もの若き人々はけどをくて所々に休みふしたり」(出典:栄花物語(1028‐92頃)初花)③ 親しみにくい。なじめない。親近感が持てない。うとうとしい。[初出の実例]「木立などのはるかにものふり、屋のさまも高う、けどほけれど、すずろにをかしうおぼゆ」(出典:枕草子(10C終)七八)④ 間柄が疎遠である。よそよそしい。気分的、心理的に間を隔てている。[初出の実例]「左宰相中将 経房、宮の大夫など、れいはけとをき人々さへ、御几帳のかみよりともすればのぞきつつ」(出典:紫式部日記(1010頃か)寛弘五年九月一一日)気遠いの派生語けどお‐げ〘 形容動詞ナリ活用 〙気遠いの派生語けどお‐さ〘 名詞 〙 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例