① ブナ科の常緑高木。本州の福島県以西、四国、九州、朝鮮半島南部の山地に生え、庭木や防風の生け垣などに植えられる。高さ二〇メートルに達する。樹皮は黒色。葉は互生し、短柄をもち、長さ五~一二センチメートルの広楕円形でやや厚く、上半部の縁には鋸歯(きょし)があり、裏は白色を帯びる。春、前年の枝に黄褐色で長さ六~九センチメートルの雄穂を垂れ、新枝の葉腋に短い雌穂を直立する。果実は長さ約一・五センチメートルの卵形で先のとがったドングリ状果で、下部は殻斗(かくと)に包まれる。材は器具・薪炭用。材が白色なのでこの名があり、樹皮の黒さから「くろかし」の名もある。漢名、麪櫧。ほそばがし。ささがし。