氷上神社(読み)ひかみじんじや

日本歴史地名大系 「氷上神社」の解説

氷上神社
ひかみじんじや

[現在地名]陸前高田市高田町

西和野にしわの里宮、氷上山山頂に東御殿ひがしのごてん中御殿なかのごてん・西御殿の三宮を祀る。旧郷社。祭神天照大神・素盞嗚命・稲田姫命。創建の年代は不詳。近世までは氷上権現社、氷上山三所権現とよばれ、日神とも記された(「封内風土記」など)山上の三社を「延喜式」神名帳記載の気仙けせん郡三座の「理訓許段神社」「登奈孝志神社」「衣太手神社」に擬する説がある。元禄一一年(一六九八)の「気仙郡古記」には「色々異説多」とあり、寛保元年(一七四一)の「封内名蹟志」には「右三社は今高田村に有りて各神事祭礼を行ふ。然れども具に旧地を考ふるに今の地にあらず」としながらも、東御殿を衣太手きぬたて神社、西御殿を理訓許段りくこた神社、中御殿を登奈孝志となかし神社に比定、三座説を肯定している。しかし宝暦一一年(一七六一)の「気仙風土草」では「封内名蹟志」著述の際、村長の言により一郡総鎮守である当社を神名帳の三社にあてたものとし、「氷上の社たとひ、一郡の総鎮守と云つたへたりとも、神名帳の神号に似たる一事も不聞。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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