里宮(読み)サトミヤ

デジタル大辞泉 「里宮」の意味・読み・例文・類語

さと‐みや【里宮】

山上奥宮に対し、山麓村里にある社殿遥拝ようはい所として参拝者の便宜のため設けられたという。

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精選版 日本国語大辞典 「里宮」の意味・読み・例文・類語

さと‐みや【里宮】

  1. 〘 名詞 〙 奥の院や本殿が山上にある神社で、山のふもとの里に置かれている宮。ふつう、参拝者の便宜をはかって設けられる。
    1. [初出の実例]「十二日、年預の者拾人、村役の者、里宮へ参会、其年の里の掟を定む」(出典:諸国風俗問状答(19C前)近江国多羅尾村風俗問状答・正月・一七)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「里宮」の意味・わかりやすい解説

里宮
さとみや

里にある宮、すなわち人里近くにある神社の意味で、奥宮、山宮対称。とくに同一神社で2か所に社殿がある場合、山上ないし山中のほうを奥宮または山宮とし、山麓(さんろく)や集落にあるほうを里宮という。一般に遙拝(ようはい)所の発展というが、神社の成立上、里宮が本来祭場とみるべき場合が多い。

[薗田 稔]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「里宮」の意味・わかりやすい解説

里宮
さとみや

一つの神社であって2ヵ所以上に神殿のある場合,山上の奥宮,山宮に対して,ふもとの里にある宮をいう。

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世界大百科事典(旧版)内の里宮の言及

【山開き】より

…山岳は,狩猟・焼畑耕作民の生活空間であったが,山麓で水稲農耕を営む住民にとっては,禁断不入の地とされていた。農耕民の場合,山岳を水分(みくまり)の霊地としてあがめることから,山神の分霊をまつる里宮ができ,山宮が成立し,神霊が里と山とを去来するという信仰が生まれてくる。後世に至り,修験者などが山岳修行の霊験を説くようになると,山に登ろうとしなかった麓の住民も,1年の限られた時期に山頂登拝を果たし,神霊や死霊との交流をするようになる。…

【山宮】より

…つまり山すそに遥拝所の社殿を建て,そこで年ごとの祭祀を執行してきた。これが里宮の成立である。大和三輪山の大神(おおみわ)神社,薩摩開聞岳の枚聞(ひらきき)神社などが,いずれも拝殿のみで本殿の構えをもたないのは,山頂を遥拝する里宮であったことを示している。…

※「里宮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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