氷上(読み)ヒョウジョウ

デジタル大辞泉 「氷上」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐じょう〔‐ジヤウ〕【氷上】

氷の上。「氷上競技」 冬》「―に間近しと思ふこだまかな/乙字

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精選版 日本国語大辞典 「氷上」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐じょう‥ジャウ【氷上】

  1. 〘 名詞 〙 氷の上。川や池に張った氷の上。アイスホッケーアイススケートなどのリンクをもいう。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「雪中に筍を掘、氷上に魚を求しためしもあるに」(出典:俳諧・父の終焉日記(1801)五月一〇日)
    2. [その他の文献]〔晉書‐芸術伝・索紞〕

ひかみ【氷上】

  1. 兵庫県の中東部にあった郡。現在の丹波市域にあたる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「氷上」の意味・わかりやすい解説

氷上
ひかみ

兵庫県中東部、氷上郡にあった旧町名(氷上町(ちょう))。現在は丹波(たんば)市の中部西寄りを占める一地区。1955年(昭和30)成松(なりまつ)町と葛野(かどの)、生郷(いくさと)、沼貫(ぬぬき)、幸世(さちよ)の4村が合併して氷上町が成立。2004年(平成16)柏原(かいばら)町、青垣(あおがき)町、春日(かすが)町、山南(さんなん)町、市島(いちじま)町と合併、市制を施行して丹波市となる。加古川(かこがわ)上流にあり、同川が旧町域を北から南に貫流、南部をJR福知山線、国道175号、176号が走り、春日和田山道路(北近畿豊岡自動車道)の氷上インターチェンジがある。中心地区の成松は中世以来、加古川水運の河港で、物資の集散地として栄えた。加古川沿いでは米作を中心に花木花卉(かき)、野菜を生産する。クリ、イチゴの観光農園もある。清住(きよずみ)地区の達身寺(たっしんじ)には平安時代から鎌倉時代の仏像80躯(く)以上が収蔵されており、そのうち本尊の木造阿弥陀如来(あみだにょらい)坐像など12躯が国指定重要文化財。ほか足利義満(あしかがよしみつ)創建古刹(こさつ)円通寺など神社仏閣が多い。南東部の稲畑(いなはた)地区では土人形稲畑人形をつくる。

大槻 守]

『荻野淳一編『成松町誌』(1957・同書編集会)』『『氷上町誌』(1975・氷上町)』

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日本歴史地名大系 「氷上」の解説

氷上
ひかみ

[現在地名]山口市大字大内御堀 氷上

御堀みほり村の小名で、仁保にほ川の北岸、東側の平地で後ろに山を負う。

大内氏は古くから御堀・氷上の地を本拠としたらしい。大内盛房は治承(一一七七―八一)頃の人とされるが、周防介となり以後介または権介を世襲し国府に往来した。延文五年(一三六〇)頃、大内弘世が居館を山口に移すまでの間、居館はこの地にあったと伝える。現在氷上には大内氏の菩提寺興隆こうりゆう寺と御堀神社があるが、御堀神社は明治四二年(一九〇九)付近の御堀八幡宮・鏡山かがみやま神社・氷上神社を合祀したものである。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「氷上」の意味・わかりやすい解説

氷上
ひかみ

兵庫県中東部,丹波市中西部の旧町域。加古川上流の佐治川流域に位置する。 1955年成松町と沼貫村,葛野村,幸世村,生郷村の4村が合体して氷上町が発足。 2004年柏原町,青垣町,春日町,山南町,市島町と合体して丹波市となった。中心集落の成松は鎌倉時代から加古川水運の河港として栄えた。東の石生 (いそう) 付近は播磨灘に注ぐ加古川の支流柏原川と,日本海に注ぐ由良川の支流黒井川との谷中分水界にあたり,1軒の家に降った雨水が屋根の向きの違いで一方は日本海,他方は播磨灘に流入するため「水分れ」の地名がある。穀倉地帯であるが,野菜,果樹,花卉栽培など多角経営の農家が多い。電気機器,繊維などの工場がある。

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百科事典マイペディア 「氷上」の意味・わかりやすい解説

氷上[町]【ひかみ】

兵庫県中部,氷上郡の旧町。中心は,加古川の上流佐治川の小盆地で,主集落成松はかつて加古川水運で繁栄。川沿いでの米作のほか酪農,養鶏,野菜・花卉(かき)・花木を栽培。スポーツウェアなどの繊維工場もある。2004年11月氷上郡柏原町,青垣町,春日町,山南町,市島町と合併し市制,丹波市となる。110.14km2。1万9302人(2003)。

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改訂新版 世界大百科事典 「氷上」の意味・わかりやすい解説

氷上 (ひかみ)

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世界大百科事典(旧版)内の氷上の言及

【葛野荘】より

…丹波国氷上郡葛野郷(現,兵庫県氷上郡氷上町葛野)にあった葛野牧が荘園化したもので,1159年(平治1)の宝荘厳院領荘園注文によると,本家は宝荘厳院,領家は冷泉中納言朝隆で,本家年貢として米100石,油1石1斗が納められていた。南北朝期,領家職は室町准后から保安寺へと伝えられたが,1337年(延元2∥建武4)以降領家が本家年貢の納入を怠ったため,本家宝荘厳院との間に長期にわたる相論が起こっている。…

※「氷上」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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