氷嚢(読み)ヒョウノウ

デジタル大辞泉 「氷嚢」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐のう〔‐ナウ〕【氷×嚢】

氷片や水を入れて患部を冷やすのに用いるゴム製などの袋。こおりぶくろ。

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精選版 日本国語大辞典 「氷嚢」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐のう‥ナウ【氷嚢】

  1. 〘 名詞 〙 身体の患部の熱を下げるために氷を入れてあてがう袋。ゴムビニール防水布などで作る。
    1. [初出の実例]「氷嚢を当てた胸部に」(出典:魔風恋風(1903)〈小杉天外〉後)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「氷嚢」の意味・わかりやすい解説

氷嚢
ひょうのう

水または氷を入れるゴム製の袋。頭痛、歯痛などを和らげるため患部に当てたり、高熱時に、体温下降を図るため動脈に近い部位に当てたりする。氷は母指頭大に割り、ざるに入れて水をかけ、角をとる。大人のこぶし大の量の氷と少量の水を氷嚢に入れ、片方の手で氷の入った部分を持ち、もう一方の手で袋をしごくようにして空気を出したあと、口元をねじり、専用の留めゴム(輪ゴムなど)でしっかりと留める。外側水滴をふいてカバーをかけるが、カバーはガーゼや晒(さらし)などを用い、皮膚に当たるところは枚数を加減して温度調節を図る。凍傷や感覚麻痺(まひ)をおこさないような配慮も必要である。また、局所に平たく安定するように形を整え、一部に重みがかからないというくふうもたいせつである。

[山根信子]

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