小杉天外の長編小説。1903年(明治36)《読売新聞》に連載。同年から翌年にかけて前編,中編,後編と春陽堂より刊行。帝国女子学院の生徒萩原初野と東大法科の学生で子爵の養子となっている夏本東吾との恋愛を主軸に物語は展開されるが,夏本子爵の令嬢芳江は初野を義姉(ねえ)さんと呼ぶほどの仲であり,他方また東吾と許婚の間柄でもあるところから,初野と東吾は芳江への義理に悩み,最後は芳江と東吾の結ばれることを望みつつ初野が急死するという筋。明治30年代の新しい社会風俗として話題になった女学生の生活をいきいきと描いた〈写実小説〉として歓迎された。しかし,それだけに通俗的興味に流れたともいえる。
執筆者:岡 保生
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...