永島亀巣(読み)ながしま・きそう

朝日日本歴史人物事典 「永島亀巣」の解説

永島亀巣

没年:明治24.1.11(1891)
生年:文化6(1809)
江戸後期,武蔵国久良岐郡泥亀新田(横浜市)名主。嘉十郎の長男。寛文8(1668)年に泥亀新田を開発した永島祐伯(泥亀)9代目の子孫通称段右衛門,字は忠篤,亀巣と号した。文政7(1824)年16歳で見習い名主となり,天保14(1843)年,相模国三浦半島の警備に当たった武蔵国川越藩(埼玉県)松平氏から苗字帯刀2人扶持を与えられ,水主差配役を命ぜられた。新田開発にも努め,嘉永2(1849)年から4年に,金沢新田70町余,塩田2町5反余を開発した。安政1(1854)年川越藩に代わった備後国熊本藩細川氏から家中諸役人並に任ぜられ,4人扶持を与えられた。亀巣の開いた塩田の塩の生産高は,慶応1(1865)年,7000俵に達した。維新後戸長となる。<参考文献>内田四万蔵『横浜の新田と埋立』(横浜郷土叢書),『神奈川県史 別編1/人物

(神崎彰利)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「永島亀巣」の解説

永島亀巣 ながしま-きそう

1808-1891 幕末-明治時代開拓者
文化5年生まれ。武蔵(むさし)久良岐(くらき)郡(神奈川県)の名主。あれていた泥亀(でいき)新田を再興し,あらたに新田や塩田をひらいた。嘉永(かえい)6年相模(さがみ)警備の熊本藩から相模・武蔵3郡五十余村の大取締役に任命され,維新後は戸長。明治24年1月11日死去。84歳。字(あざな)は忠篤。通称は段右衛門。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android