朝日日本歴史人物事典 「沢露川」の解説
沢露川
生年:寛文1(1661)
江戸中期の俳人。一時,渡辺氏。通称,藤原市郎右衛門。別号,月空居士,月空庵,霧山軒など。伊賀友生(三重県上野市)に生まれ,のち名古屋札の辻で数珠商を営む。俳諧は,北村季吟,蘭秀軒(吉田)横船に学んだとも,斎藤如泉門ともいう。のち,松尾芭蕉に入門し,『流川集』を刊行。家業を養子月頂に譲渡した宝永3(1706)年以降,活発な活動を展開する。諸国に31杖するとともに,門弟の拡充をめざして各務支考と論争におよんだこともあった。<参考文献>石田元季「蕉門七部初三集の主要作家」「尾州享保期の俳風」(『俳文学考説』)
(楠元六男)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報