河口保(読み)かわぐちほ

日本歴史地名大系 「河口保」の解説

河口保
かわぐちほ

現新湊市川口かわぐちを遺称地とし、「和名抄」の射水いみず郡川口郷の系譜を引く。「吾妻鏡」延応元年(一二三九)七月二五日条によると、前年一一月に越中国の東条とうじよう・河口・曾禰そね八代やしろ(現氷見市)の各保(四箇保)地頭らが、将軍九条頼経の父である九条道家に対して、菩提寺である京都東福寺の惣社成就じようじゆ宮の神用に充てるため、京上年貢一〇〇石を地頭請所の契約条件をつけて寄進している。翌一二月には越中国司庁宣により、国使の入部と勅院事以下国役が停止され、国免庄の権利を与えられた。九条家にとって新御領となった四箇保の寄進は、それ以前の九条家と国衙との間での寄進地選定交渉のうえにおいて実現したのであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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