朝日日本歴史人物事典 「法住」の解説
法住
生年:享保8.5.6(1723.6.8)
江戸中・後期の真言宗の僧。豊山派最大の学匠。大和添上郡櫟本(天理市櫟本町)出身。16歳で出家。各地に師を求め,密教のみならず仏教一般を修学。寛政3(1791)年豊山派を統括する能化職に就任。八指麾業という各専門尊重の制度を定めて自由な学問的雰囲気を作り,密教学以外に国学や漢学などの専門家を輩出,豊山派学問の黄金時代を出現させた。引退後,根来山復興にも参画。霊的能力に富み,瞑想すれば必ず金色に輝く人が現れ難問に答えると語ったという。著書に中世以来の難問を解決した『秘密因縁管弦相成義』など。<参考文献>櫛田良洪『真言密教成立過程の研究』
(正木晃)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報